一般社団法人 日本生物教育学会|The Society of Biological Sciences Education of Japan [SBSEJ]

文字のサイズ:小さく大きく標準

トップページ > 過去のお知らせ一覧 > 生物教育サポート事業報告No.33

過去のお知らせ

2016年8月 3日

生物教育サポート事業報告No.33

カテゴリ:

2016年5月15日と6月12日,「グリーンアドベンチャー(植物探索)」実習が実施され,講師としてサポーターの岡崎惠視氏(東京学芸大学名誉教授)が委嘱されました.このグリーンアドベンチャーは,(公社)青少年交友協会(森田勇造理事長)が主催した「生活体験指導者養成講習(教員免許状更新講習)」に含まれる実習で,国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で行われました.講習には,幼稚園・小・中・高,及び特別支援学校の教員が参加しました.5月15日には,東京都,神奈川県,埼玉県,山梨県の教員21名,6月12日には東京都,神奈川県,千葉県の教員14名が受講しました.

 

まず,この講習におけるグリーンアドベンチャーの目的が説明されました.(1)植物名を知る,(2)生活との関連(果実の利用,薬効,建築材・庭木・街路樹への利用等),(3)個々の植物と分類体系との関係(特に科名)等です.受講生には「種名・科名探索用紙」「参考資料」,同協会監修の「樹木図鑑(初級用)」が配布されました.また,観察した樹木の中から,自分の好きな植物“私の植物”を1種決めて探索用紙に記すよう指示されました.そして,センター内のグリーンアドベンチャー常設コースを回り,30種の樹木を観察しました.受講者の樹木名の正答率は,30種中,多くて10種程で,科名についての正答は非常に少ないものでした.この講習で特に科名を取り上げるのは,図鑑で種の検索・同定を行うのに大変役立つこと,同一の科には,共通した特徴(花や葉序などの形態,含有成分等)があること,また,最近の遺伝子分析(APG)による新分類体系では,科名が変更されたものがあるためとのことでした.

6月12日の探索では,生活文化と関わりの強いドクダミ(ドクダミ科)も取り上げられ,また,ヤマモモ(ヤマモモ科)の果実を皆で味わいました.受講生の大部分は植物探索になじみが薄いようでしたが,野外観察に大変興味を示し,積極的に参加しました.

 

主催者からは,「ミズキは,春先に枝を切ると水がしたたり,やわらかい木質でこけし細工などに使われること,桐の板は湿気を通し難く,昔から箪笥に利用されること,ヒノキは,建築材に利用されてから300年間も強くなり続け,その後徐々に弱くなるなど,樹木についていろいろな角度からの説明があり,楽しい植物探索でした」との評価が得られました.また,受講者からは,「アカメモチの新芽が赤いのは,紫外線を防ぐための作用であること,ドクダミは“十薬”とも呼ばれ,悪臭を放つ葉は,食用にもなり,腫れ物に湿布して有効なこと,その他にも種々の薬効があり,地下茎は食用にもなるなど,目からウロコの落ちる発見があり,大変楽しく有益な講習でした」との感想が寄せられました.

 

20160515_0612_01.jpg

コナラの説明を聞く受講生(5月講習)

 

20160515_0612_02.jpg

採取したヤマモモの果実の説明を聞く受講生(6月講習)