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過去のお知らせ

2016年8月 3日

生物教育サポート事業報告No.32

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2016年4月15日,公益社団法人日本環境教育フォーラム主催の「東京シニア自然大学」の入門コース「昆虫学入門」が実施され,講師としてサポーターの北野日出男氏(東京学芸大学名誉教授)が委嘱されました.今年で4期目を迎える東京シニア自然大学は,自然や環境について改めて学びたい意欲のあるシニア層を対象に,年間を通じて多様な切り口で講座を行っています.講座は37講座あるうちの第2回で,新宿御苑(東京都新宿区)で開催されました.自然観察,環境教育の教材として優れた特性をもつ昆虫について学ぶ講座に29名の参加がありました.

 

午前中は,昆虫の基本的な体のつくりと働きや,生き残る術や子孫を残すための戦略について説明があり,午後は野外で,目的を持ってじっくり眺めることの大切さを教わりながら,実際に虫を捕まえて透明カップに入れ観察しました(通常,新宿御苑では入園者による生きものの収集は許されませんが,今回は申請し了承を得たうえで行っています).観察では,どんな所にどんな虫がいるのか,昆虫と植物や鳥,生息環境との関わりについての説明がありました.また,「昆虫の生命の不思議」や「ヒトがどれだけの生きものに支えられているのか」などの話から,これまで毛嫌いしていた虫に親しみを持って観察できるまでになり,また配付資料は,講座後も学んでいけるような内容で活用が楽しみなものでした.

 

主催者からは,「入門編として,昆虫と昆虫を通した生きもののつながりを学んでほしい,自然や生きものを尊び大切にする気持ちを持ってほしい,という本講座のねらいを十分にクリアしました.また,シニア層自身の知識だけに留まらず,若い世代や孫にも教えるよう導かれたことも有難い視点でした」との評価が得られました.また,受講者からは,「スライドと解説によって,観察や楽しみ方のポイントを実習を通して教わり,虫に親しみが湧いてきた」「小学生の頃,セミの羽化を見ていて不思議だった抜け殻の白い糸の謎が,今日解けた」「先生のお話をきいて『虫けら』と毛嫌いしていた自分を恥じています」「幼い頃,学んだかもしれないのに,初めて知ることばかりで,楽しかった」「人とのつながり,生命のつながり・・・考えさせられた」などの感想が寄せられました.

 

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パワー・ポイントによる室内でのレクチャー

 

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午後の「生き物観察」で説明を聞く参加者