このたび,文部科学省では,平成30年度から実施予定の科研費審査システムの大規模改革の案を公表し,これに対する意見募集が行われています.
参照:「科学研究費助成事業(科研費)審査システム改革2018」に関する意見募集について
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/1370040.htm
その中の重要な柱の一つが,審査区分表の大規模改革です.現在使われている「分科・細目」という仕組みから,「審査区分」という仕組みへの変更が予定されています.我々に最も近い「科学教育」という領域は,分科「科学教育・教育工学」で,細目は「科学教育」と「教育工学」に分かれています.科研費の申請や日本学術振興会の特別研究員の申請などで使用される区分です.
ところが,新しく提案されている審査区分表を見ると,「小区分」(これまでの「細目」に該当するレベルです)に,「教育工学関連」はあるのですが,「科学教育」はどこにもありません.つまり,「科学教育」という概念は完全に消し去られています.今回の改革案では,現在の細目数321を小区分数304に減らしています.このように「小区分」にも,その下の「キーワード」にさえ出てこない,いわば完全に消去された「細目」は他にはありません.「初等中等関連」という小区分の下の「各教科の教育」というキーワードが該当すると見る向きもあるかもしれませんが,これまでの「科学教育」という細目をそのように矮小化することはできません.
これは、我が国の生物教育にとっても大きなマイナスではないかと考えられます。
そこで、会員の皆様に、締切(5月21日)が迫っていて申し訳ありませんが、可能なら、こちらのURLから意見を提出していただけませんでしょうか。
よろしくお願いいたします。
なお、科学教育学会では、学会として要望書を提出されましたので、参考までに紹介しておきます。
http://www.jsse.jp/jsse/files/comment_on_kakenhi2018.pdf