2015年9月22日,ベトナムのハノイ教育大学で開催されたセミナーで,講師としてサポーターの中道貞子氏(生物教育研究所)が委嘱されました。テーマは,依頼者側の要望による「日本の生物教育の実情」で,20名の大学教員と5名の学生の参加がありました。
講演では,高等学校学習指導要領理科の中でも大きく現代化がなされた「生物」の内容について,旧学習指導要領の問題点を踏まえながら話がありました。また,次期学習指導要領について,すでに中教審への諮問がなされており,間もなく答申が出るといった今後の動きについても説明がなされました。セミナー後半には,光合成をテーマにした探究活動,「果実は光合成をするか」「TLCシートを用いた光合成色素の分離実験」についての紹介がありました。後者については,校舎近くで採取した緑葉と,サポーターが持参したイシクラゲ(Nostoc commune)を材料にして,演示実験が行われました。
ベトナムにおいても,教育課程が変わろうとしている時期であることから,教員からは「日本の各学年における内容の扱い」「探究活動の扱い」「動物生理に関する実験」などについて熱心な質問があり,「貴重な講演だった」との感想が寄せられました。
「日本の生物教育の実情」に関する講演を聞く参加者