2012年6月24日「グリーンアドベンチャー(植物探索)」をテーマに,(公益社)青少年交友協会(理事長 森田勇造)主催で実施されたサポート事業の報告です。講師として,サポーターの岡崎惠視氏(東京学芸大学名誉教授)が委嘱されました。協会の「生活体験指導者養成講習(教員免許状更新講習)」の一環として行われたもので,小・中・高校教員と教育委員会委員を合わせて33名の参加がありました。
植物探索の目的,資料による和名・学名等の説明後,「和名・科名記入用紙」と「樹木図鑑(初級用)」(青少年交友協会出版)が配付されました。その後,国立オリンピック記念青少年総合センターに同協会が設置したグリーンアドベンチャー樹木標識(1~30番)を番号順に回りました。先ずは,受講者に樹木の和名・科名を問い,記入用紙への記入が終わった後,受講者は樹木名,科名,特徴,生活文化との関わり(樹木の利用法など)などについて標識の記述を見て知り,更にサポーターからの説明を受けました。今回,講師が科名に触れられたのは,種の多様性と同時に植物のまとまり,階層性,系統性を認識してもらうためです。ほとんどの樹木は花期が終わり,種の同定には主に葉の形,葉序,樹皮,樹形の特徴に着目せざるを得ませんでした。
受講者の正解率は30種中多くて10種で,科名についてはほとんど認識がありませんでした。受講生は日頃,野外観察になじみが薄いようでしたが,植物に対する関心は高く,今回の実習で一層興味を増したようでした。主催者側からは「花の送粉戦略,葉から花への進化などについての説明があったことで,参加者が植物に関心を高めるきっかけとなりました。」との評価をいただき,参加者からは「一般的な生物学や植物学では聞くことのできない自然界の不思議な関わりを説明されるので楽しく,関心が高まった。」との声がありました。