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過去のお知らせ

2012年7月 2日

生物教育サポート事業報告no.5

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2012年6月16日「高校理科における課題研究の実践と20年後の追跡調査について」をテーマに,宮城県の高校理科教員30名を対象として実施されたサポート事業の報告です。

講義では,イエバエを教材とした,15年間にわたる課題研究の内容や,課題研究の対象生徒に対する事後調査の報告がありました。事前の準備も十分で,パワーポイントを利用したわかりやすい内容でした。

講師は,課題研究について次のようにまとめています。「課題研究の学習効果を高めるには,生徒一人ひとりが課題研究の趣旨を十分に理解していることがまず第一である。さらにテーマに沿って実験観察に積極的に取り組み,自らの仮説を検証して結論を導くという研究の過程が大事で,それにはそれぞれのテーマに教師の適切な助言が不可欠である。」

高校学習指導要領では「課題研究」という新科目が設定されており,課題研究は,今後,高校現場で重要性が増すと考えられます。講師は,「生き物に触れる驚きや面白さを経験させたい」と,高校在任中からイエバエを教材にしたグループ研究を課してこられました。30年以上も前からの長い経験に裏打ちされた講義は非常に説得力のあるものでした。今後,実際に自分で課題研究を行う立場にある教員にとって,今回の講演は,課題研究の方向性を示すものとなることが期待されます。

 

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講師の著書表紙(左)と目次の一部(右)