2012年5月12日「漬物中の微生物の観察」をテーマに,京都府の高校教員など22名を対象に実施されたサポート事業の報告です。
高校の理科と数学科については,2012年4月から新学習指導要領下での学習が始まりました。新科目「生物基礎」の学習指導要領には「原核生物と真核生物の観察を行うこと」と内容の取扱いについて説明があります。
原核生物の観察材料としては,ヨーグルトや乳酸菌飲料中の乳酸菌の観察が一般的と考えられます。しかし,原核生物だけを顕微鏡観察しても,ただ小さな粒々が見えたということで観察を終えてしまうことになります。「漬物中の微生物の観察」では,乳酸菌などの原核生物だけでなく,真核生物の酵母も同時に観察できることから,原核生物と真核生物の大きさの違いを実感させることができます。
研修会では,サポーターが準備した市販の漬物やいろいろな濃度の食塩水につけた白菜などの材料を用いて観察を行いました。生菌はメチレンブルーに染まらないことから,火炎固定を行ってプレパラートを作成する方法の紹介もありました。参加者からは次のような感想がありました。
・食べ物の中に微生物がいることが実感できた。
・原核細胞と真核細胞が並んで視野に入れられたので授業で実践しようと思う。
・火炎固定の意味と効果がわかって良かった。
・不明確なよくわからないものを気軽に質問することができてよかった。
市販の漬物中の原核生物(乳酸菌)と真核生物(酵母)写真の横幅は約140μm