塩基配列の変化以外にDNAに何らかの変化をもたらすことで遺伝子発現をコントロールするしくみ、そしてそれ自身が細胞から細胞へと代を通じて遺伝していくしくみ、それが(もしくはそのしくみを研究対象とする学問が)「エピジェネティクス」と呼ばれます。本書は「エピジェネティクス」のしくみを高校生でも分かるように説明し、DNAの配列だけでは語りきれない生命の不思議に導いていきます。高等学校生物では、これから徐々に分子生物学的内容が多くなり、最先端研究により近づける教育努力が必要になってくると思われますが、本書は、そうした生物教員にとっても役立つ内容となっています。