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過去のお知らせ

2015年12月10日

生物教育サポート事業報告No.31

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2015年11月15日「グリーンアドベンチャー(植物探索)」実習が実施され,講師としてサポーターの岡崎惠視氏(東京学芸大学名誉教授)が委嘱されました。このグリーンアドベンチャーは,(公社)青少年交友協会(森田勇造理事長)が主催した「生活体験指導者養成講習(教員免許状更新講習)」に含まれる一実習で,国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で行われました。講習には,東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県から,小学校・中学校・高等学校の教員26名(男性15名,女性11名)が参加しました。

 

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この講習会では,「生活体験」に目的が置かれているため,①植物の名前,②植物と生活との関係(生活文化との関連,例えば,木材の利用,食用になるか,薬用効果,野外遊びとの関係など)を知ることが主な目的ですが,図鑑で種名を検索する際に役立つ「科名」についても指導がありました。最近の遺伝子分析に基づく分類体系で,従来の科名が変更されたものがあり,センター内の植物で「植物標識」を書き直す必要があるものについて,その説明・解説がありました。

常設コースの30種の樹木名,科名,生活文化との関連について,受講生が記入した「植物探索用紙」では,種名の正答数は30種中10種程度,科名については非常に少ないものでした。受講生の多くは野外観察になじみが薄いようでしたが,野外観察や植物に対して強い興味を示し,植物の探索を楽しみました。また,エゴノキの果実の特徴と利用法では,果皮の「えぐ味」を実感しました。「エゴノキ」と言う和名は,この「えぐ味」に因ることも納得しました。

 

主催者からは,「樹木の新しい科名など,新たな知識を得た。生活文化とのかかわりや名称の由来,アカメモチの新芽が赤いのは紫外線から守るためなどの説明があり受講者の関心が高まった」との評価が得られました。また受講生からは,「エゴノキの実のサポニンには魚毒性があり,果実を口にすると30分から1時間も舌がしびれていた。植物に関する話題が豊富なので,樹木観察が楽しかった」などの感想が寄せられました。