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過去のお知らせ

2015年6月 1日

生物教育サポート事業報告No.24

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2015年5月17日「グリーンアドベンチャー(植物探索)」実習が実施され,講師としてサポーターの岡崎惠視氏(東京学芸大学名誉教授)が委嘱されました。このグリーンアドベンチャーは,青少年交友協会(森田勇造理事長)が主催した「生活体験指導者養成講習(教員免許状更新講習)」に含まれる一実習で,国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で行われました。講習には,東京都,埼玉県,千葉県,神奈川県,静岡県,栃木県,福島県,石川県から小・中・高等学校の教員26名が参加しました。

講習では先ず,グリーンアドベンチャーの目的,①植物名(和名)を知る,②我々の生活と植物との関連(果実の利用,薬用効果の有無,建築材や庭木・街路樹への利用等),③個々の植物と分類体系(特に科名)等の説明があり,「和名・科名探索用紙」「参考資料」「樹木図鑑(初級用)」が配布されました。また参加者の興味関心を高めるため,観察した樹木の中から「私の植物」を1種決めて探索用紙に記すよう指示されました。

その後,センター内のグリーンアドベンチャー常設コースを回り,30種の樹木を観察・探索しました。個々の樹木について,各自でその樹木名・科名を探索し,検索用紙に記録しました。その後,個々の樹木について講師からの解説がありました。参加者の樹木名の正答率は,30種中10種程度で,また科名についての正答は非常に少ないものでした。この実習で「科名」を取り上げられたのは,図鑑で種の検索・同定を行うのに大変役立つこと,同一の科には共通した特徴(花や葉序などの形態,含有成分等)があること,種の多様性と共通性の理解にも役立つこと,最近の新分類体系で科名が変更されたものがあること(例:カエデ科→ムクロジ科への変更)等によります。参加者の多くは野外観察になじみが薄いようでしたが,観察に興味を示し,積極的に取り組みました。

主催者からは「花は葉の変化したものである,ネズミモチの種子はコーヒーの代用になる,ケヤキは良質の建築材で太鼓の胴や臼にも利用される等,樹木の衣食住や漢方薬等との関わりについて色々な角度から説明があり,生活文化とのかかわりが良く分かる楽しい植物探索でした」との評価が得られました。また参加者からは,「樹木名,科名などの由来や,科名の新分類体系による変更,花や実の不思議,生活文化との関わり等,植物に関する様々なことが学べ,興味深い2時間でした」という感想が得られました。

 

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グリーンアドベンチャー(植物探索):看板前で説明を聞く参加者