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過去のお知らせ

2014年11月 5日

生物教育サポート事業報告No.18

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2014年8月1日「高度理科教員養成講座(生物学分野)」が横浜国立大学主催で開催されました。講師として,サポーターの岡崎惠視氏(東京学芸大学名誉教授)が委嘱されました。横浜市,川崎市,相模原市の小・中学校教員や大学院生あわせて18名の参加がありました。

午前の部は「植物探索・分類実習」。横浜国立大学キャンパス内には,常緑広葉樹のブナ科のカシ類,シイ類,クスノキ科のクスノキなどが多くあります。講習では,先ずはキャンパス内を回り,樹木約20種を探索し,植物名とそれが属する科名について学習しました。受講生は野外観察に馴染みが薄い様で,種名,科名を知らない植物が大部分でした。講師からは,科名を知ることで図鑑による検索が容易になることと,一つの科に属する植物は,形態や成分がほぼ共通していることなど,科名認識の重要性の説明がありました。

その後,キャンパス内で採集した草本(5種)を室内に持ち帰り,大川ち津る博士考案の「ボディーパンチカード」(科学教育研究会)を使って,植物検索の方法の指導がありました。

午後の部は「室内生物実験」。「花は葉の変態」というテーマで,このように考えられる幾つかの身近な根拠を挙げた解説に加え,最近の「分子生物学的証拠」である「ABCモデル」の話もありました。講義のあとは実習で,果実に見られる「葉の痕跡」を,アオギリ,サヤエンドウ,ミカン,バナナ,スイカの果実を切断して探しました。受講者たちは新概念「葉の原基から花への変態(進化)」を理解した様でした。また,改めて「仮説をもって観察・実験を行う」ことの重要性に気付いた様でした。

上記2つの実習の成果は,後日提出されたレポートからも窺えました。

主催者からは「身近な植物,身近な果物などを用い,分かり易く具体的に提示することで,生物が専門ではない参加者に対しても理解が促された。豊富な知識と豊かな経験に基づく,魅力的な講義・実習をしていただいた。」との評価が得られました。

 

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学キャンパス内での植物探索


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 果実に「葉の痕跡」を探す受講生