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過去のお知らせ

2013年12月13日

生物教育サポート事業報告No.13

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2013年10月18日,フィリピンのミンダナオ島オザミス市のLa Salle Universityの附属学校で開催された「APSA Science Seminar/Workshop」(主催はフィリピンのNPO法人Asian Psychological Services and Assessment Inc.)で,生物教育研究所所属の二人のサポーター中道貞子氏と片山舒康氏が,講師をされました。このセミナー・ワークショップは上記のNPO法人が不定期に開催する事業で,生物教育研究所が協力を依頼されています。今回は,上記附属学校の理科教員と同大学生物学専攻の学生30人の参加がありました。

午前中は中道氏の指導による「顕微鏡の使い方」および「植物の細胞と組織の顕微鏡観察」の実習が行われました。参加者の多くは顕微鏡の使い方に慣れておらず,ヨウ素液で染色したバナナの果肉や酢酸オルセインで染色したタマネギりん葉の細胞を観察するのに苦労していましたが,顕微鏡の使い方がわかってくるにつれて上手に観察することができました。また,サポーターの中村雅浩氏(成城学園中・高)が開発された超簡易ミクロトーム(学会誌「生物教育」53巻4号参照)を使って植物の葉の切片を作り観察する実習も行われましたが,時間不足で十分な説明ができず,うまく切片を作るまでには至りませんでした。

午後は片山氏による「消化酵素-唾液アミラーゼ」の講義と実習が行われました。参加者は消化と吸収についての短い講義を受けたのち,唾液によってデンプンが分解されるようすをヨウ素反応の色の変化で確認しました。

なお,フィリピンでは今年から新しい教育課程が施行されており(学会誌「生物教育」54巻1号参照),理科では実験・観察を通した学習が強く望まれています。今回のセミナー・ワークショップのテーマ「植物の細胞と組織の観察」は第7学年(中学校1年生),「消化酵素」は第8学年(中学2年生)の内容です。

 

顕微鏡観察.jpg

顕微鏡観察

消化酵素の実験.jpg

消化酵素の実験