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過去のお知らせ

2012年11月 9日

生物教育サポート事業報告no.9

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2012年10月25~26日,「理科教育における生命倫理―『魚の解剖』の実践を通して―」をテーマに,神奈川県の大学で,初等教育教員等を志望する学生を対象に実施された生物教育サポート事業の報告です。講師として,生物教育サポーターの岩間淳子氏(川崎市立看護短期大学)が委嘱されました。

事前授業では,生命倫理に関する指導がありました。生きているフナを麻酔して解剖すること,魚の命を絶って学ぶことの意義を話し合い,解剖に否定的な意見を持つ学生にも,実習に参加し学習することの意義が伝えられました。

授業で学生は,外部形態を観察後,腹部を解剖し,消化管,卵巣(精巣),腎臓,心臓の拍動などを観察し,スケッチしました。また,頭部を解剖し,大脳,小脳,神経なども観察し記録しました。

当初は約6割の学生が,解剖を「やりたくない」「わからない」と回答していましたが,授業後の調査では,約9割の学生が「やってよかった」「よい経験になった」と回答しました。「教科書で見るようにきちんと臓器や筋肉,神経なども確認できて感動した」「心臓はとても小さかったけれど,これで生きているんだなあ,と生命を感じた」「心臓を取り出しても心臓が動いていたり,心臓を取り出した後でも神経にさわると動くことにも驚いた」「魚の臓器を観察でき,命の大切さを実感できた」「生き物のすごさを感じることができた」などの感想が得られました。

 

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消化管の長さの測定

 

事業報告9写真2.jpg

取り出した臓器(上:胆嚢,左中:消化管,左下:心臓,右:浮き袋)